姫のさがしもの。


―次の日。



気が重いはずなのに

いそいそと
お気に入りのワンピを着て
準備万端でいる自分が


情けない。



宮岸さんに、今日も会う。



でも

どうせ、期待させるだけ
させておいて

いざとなったら
きっちりと一線を
置いてしまう彼に

またガッカリさせられるんだ。



わかっているのに、

髪の毛を念入りに
クルクルと巻いて

鼻歌を歌ってしまう
自分が


本当に情けないよ。
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