姫のさがしもの。
―いつもの川辺で
彼を待つ。
彼は鮮やかなブルー色した
愛車をブーンと飛ばして
やってきた。
車のドアが開くのを
最高の笑顔で
出迎えてしまう自分が
やはり情けない。
「おまたせ!
ごめんね、待った?」
車を降りた彼が
駆け寄ってくる。
自然と笑みが
溢れ出してしまうのが悔しい。
「ううん、大丈夫。」
私がそう答えると、
彼はフワリと私の肩を
優しく抱いて
いつもの階段をのぼった。
階段をのぼりきると
彼は私の髪を撫でて
「髪、くるくる。
似合う。かわいい。」
そんなことを
甘い口調で囁いた。
髪、巻いてきて
よかったー!!なんて
すぐに上機嫌になる私は、
なんて単純なんだろ。