姫のさがしもの。
「え…?病院?」
「そ。俺、昼から
出社だから
午前中しかつき合えないけど
さっき一回家帰って
車とってきたから」
車のキーをプラプラと
揺らしながら
私に見せる宮岸さん。
「えー?いつの間に…」
「ん?8時半ぐらいかな。
それとついでに
病院しらべて
予約いれといたから」
…宮岸さんって
ほんとに行動力がある。
頼りになりすぎて
驚いちゃうよ。
「ありがとう…」
なんだか目頭が熱くなってきた。
瞳をウルウルとさせながら
彼にお礼を言うと
宮岸さんはビックリした様子で
「え…?どうした?
やっぱりしんどい?」
と、聞いてきた。
「ううん、もう元気。
でも、せっかく
予約してくれたし
私、病院に行くよ」
涙を拭って笑顔を
私が見せると
宮岸さんは
「よしよし」
と言って、私の頭を
優しく撫でてくれた。