白いかけら
再会
 俺はいつの間にか、あの白い世界にいた。
 懐かしさで、胸がいっぱいにはならなかった。景色を見渡す余裕なんてなかった。
 ただ、まっすぐあの家に向かった。
 胸を躍らせる。喜びなんてなかった。
 あるのは、決意だけ。
 家が見えてきて、俺はバイクから飛び降り一目散に走った。
 足が雪に埋もれようが、靴が脱げようが、気にせず走った。
 ふと、歌が聞こえた。あの優しい声が奏でる、あの優しい歌。
 俺は肩で息をして、彼女を捜した。
 この一面の銀世界。彼女が見えないはずはない。
 そう、俺はすぐに彼女を見つけることが出来た。
 初めてあったときのように、彼女はまるで空から舞い降りた天使のように、佇んでいた。
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