秘密～先生～

届かなくても、留衣を想い声にした・・・。

『愛してるよ・・・。留衣・・・。』

吸っていた煙草の吸い殻を灰皿に押しつけ、深く溜め息を吐いた。

俺達、二人違う形で出会えていたら、留衣は俺の大好きな笑顔で隣に居てくれたのかな。

それは、今でも、分からないな・・・。

やりきれない思いでいっぱいだったが、教職というのは、やるべき事が沢山あり、のんびりする事なんて許される事はなく、気合いを入れる為に、大きく伸びをした。

『さぁ、やるか・・・』

隆司は試験の採点をし始めた。