†シークレット・ラブ†


どこに行くのかあてもないまま

ふらつきながら街を歩き続けた──…



もう─…スイーツ教室は始まっている─…



こんな気持ちのまま


スイーツ教室に行けない─…



街には、幸せそうなカップルが腕を組みながら歩いている。

何年か前の、あたしと誠司の姿が重なった─…



まだ付き合い始めた頃は、あんな風に腕を組んでよく街を歩いた。

夕暮れ時の公園で見つめ合い、人目を気にせずキスをした事もあったね──…



ドキドキして─…
幸せで─…



けど─…
けど─…時々、誠司は


遠い空の向こうに心を飛ばすように


悲しげな瞳で


よく空を眺めてた─…





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