†シークレット・ラブ†


「寒くないですか?
大丈夫ですか?」


「えっ、大丈夫です。」


「すぐに暖かくなりますから、帰ったら、温かいもの飲んでグッスリ休んでくださいね。」


「クス…はい、ありがとうございます」


「あれ?何かおかしい事言いましたか?」


「いえ?なんだか、お母さんみたいな事を言うなって…

ごめんなさい。」


「お母さん?

アハっ、参ったなぁ…」



「ごめんなさい。
気に障ってしまいましたか?」


「いえ。とんでもない。」


そう言って笑う姿が

なぜだか、忘れかけていた温もりを思い出させてくれるみたいだった…。



流れてゆく景色を眺めながら


近づいていくアパートの部屋の中に誠司はいてくれるのだろうか…。



ねぇ…誠司…。


あなたは

今 誰を愛しているの…?




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