†シークレット・ラブ†

┗誠司side


シーンと静まり返った部屋の中


ポチャン…
ポチャン…と
蛇口から零れ落ちる水の音だけ響いていた…。



ソファーから身動きできないまま


天井をボーと仰いだ…



これでいい…
これでいいんだ…


俺に


祥子を引き止める権利は…ない。



これで…いいんだ…。





ガチャン…



リビングのドアが開き

顔を上げたら



「誠司…」




「裕美…どうして…ここに…?」



「誠司の事が気になって…

祥子さんは…?」


「出て行ったよ…」

フゥーと大きな溜め息がもれた…




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