†シークレット・ラブ†
「ちょっと待って!良かったら珈琲でも飲んで行って。」
彼の声が、あたしの心を惑わした──…
出口に向かっていた足が止まり
立ち尽くした──…
「ねぇ、飲んで行って。せっかく来てくれたから。今、お客さん誰もいなくて寂しかったんだ。
良かったら、ちょっとだけでも、俺の話し相手になってくれませんか?
珈琲のお代はいらないから。」
「けど…」
「クッキーのお礼」
思わず振り返った。
彼の笑顔が
あたしの心を捕らえてた──…