†シークレット・ラブ†

誠司の食事を用意して

椅子に座り、誠司がご飯を食べる姿を見ながら、タイミングを図った。


そして──…


「ご馳走さま。」


食べ終わり、ホッと一息、煙草に火を点けた時



「あのね、あたし──…何か習いたいんだ。」



とりあえず、そう切り出してみた。


「何かって、なに?」

誠司の瞳が、あたしを捕らえた。



「料理か──…お菓子とか──…」



どうかな?



「料理か、お菓子ね」


「もっと、上手になりたいんだ。ほら、あたしって、これといって得意な物って、なに1つないから。何か、自分に自信が持てるような物が欲しいっていうか。
料理やお菓子を習って、誠司に、もっと美味しい物を食べさせたいから」



本心で言った。





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