粉雪2-sleeping beauty-
snow drop
「…なぁ、千里…。
思い出話でもしてやろうか…?
…何が聞きたい…?」


眠っている彼女の頭を優しく撫でた。


答えなんて、返ってこない―――…







今日も相変わらず、この街は粉雪が舞っていた。


あの人が、お前を迎えに来たみたいだな。



あの人が“粉雪”だとするなら、お前は“雪の華”だと思うんだ。


俺がこんなこと言ったら、可笑しいか?




お前は今、幸せか…?


本当は、俺の手でお前を幸せにしてやりたかったんだ。


だけど、俺じゃダメなこともわかってた。




結局、こんな方法しか思いつかなくてごめんな。



“ありがとう”


俺には確かに、そう聞こえた。


お礼を言うのは、俺のほうだから。



俺を独りにしないでくれて、ありがとう。


でも、もぉ十分だよ。



お前の苦しむ姿、これ以上見てられなかった。


やっぱりお前は、あの人が言った通り、笑ってる顔が一番綺麗だよ。




なぁ、千里…


愛してたんだ、お前のこと…。





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