粉雪2-sleeping beauty-
the past
お前の街に行くまでの話は、俺自身があまり思い出したくないんだ。


今考えると、最低なことばっかりやってた。



高校にも行かずに族やって、挙句の果てには捕まって年少に入った。


半年後、年少から出てみたら、チームは解散してたんだ。


先輩が筋モンになったから、誘われてホイホイ着いて行った。


先輩が“墨入れようぜ!”なんて言い出したから、俺も一緒に墨入れた。


まぁ、そんなカンジ。



女を風俗に落として、組に金を入れる生活。


でも結局、良いように使われた。



“極道は、塀の中を経験してこそ一人前だ!”


なんて言われたよ。



いくら俺が馬鹿なガキだったとは言え、さすがに人殺しなんて出来なかった。


その時初めて、極道が怖いものだと知った。



気付いたら、必死で逃げてた。


見つからないのなら、どこでも良かった。


人殺しなんてしたくなかったし、殺されるなんてまっぴらだ。


俺は、そんな覚悟なかった…。



辿り着いたのは、でっかくもちっちゃくもない街。


あの街に行って、俺の運命は変わったんだ―――…





まず、金が底をついた。


カツあげようと思ったら、逆にガキ共に囲まれちゃってさ。


本当に、散々だと思ったよ、俺の人生。


道端に倒れこんで、“このまま死ぬのかな?”なんて、考えてた。



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