粉雪2-sleeping beauty-
『…わかんないんだけど…。』


そう言って、ルミは言葉を濁した。



「…勘違い…とかじゃねぇの?」



いや、そうであって欲しい。



『…ルミも、初めはそう思ったんだよ?
けど、最近は無言電話とかもあるって言ってたし…。』


「―――ッ!」


その言葉に、目を見開いたまま何も言えなかった。


そんな俺に、ルミは言葉を続ける。



『…警察に相談したら?って聞いたんだけど、“警察嫌い!”とか言って怒るし。
じゃあ、マツさんは?って聞いたら、“マツは今、忙しいから良いの!”とか言うし。』


そう言って、ため息が聞こえてきた。



…俺が…聞いてやらなかったから…?


瞬間、心臓が嫌な音を打ち始める。



「…ストーカー…?」


『…わかんないんだよ。
別に、具体的に何かされたわけじゃないし…。』



…獅龍会…?


それとも、雑誌の記者だろうか…?


思い当たる節は、ありすぎる…。



だけど一つ言えるのは、アイツが今、危険だってことだ。


…だからよく、うちに逃げて来てたのか…?



「…いつから?」


『…もぉ、結構前だよ?』


その言葉に、大きなため息をついて頭を抱えた。



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