運命の黒い糸
アタシは深呼吸をして、一樹に電話をした。



プルルッ…


『もしもし?』

『あっ…こんな時間にごめんね。』

『いいよー。珍しいね。ミリから電話するなんて』


そう。アタシからは極力連絡は取らなかった。
もし、彼女と一緒にいたら…って考えると連絡をとりきれなかったんだ。
でも、一番の理由は一樹から連絡が来るコトで安心出来てたから。まだアタシは一樹に必要とされてるって実感したかったから。


『でしょー。今回はどぅしても言いたいコトあったから電話したんだ。』

『何!?』

『うん……。
アタシ達終わりにしようよ。』

『何で?』

『こんな関係彼女に悪いょ…だから、アタシを振って!!そしたら前に進めるから…』

『……。ミリは、いつも人のコトばっかだな。お前は、どうせ一人で傷付くんだろ?』

『……。』

『もっと自分のコト考えろよ。』

一樹は怒っているようだった。


『じゃあ、アタシは一樹にとって何なのさ!!』

アタシにも怒りが込み上げてきた。

『大事だと思ってる』

『大事に思ってても彼女にはなれない!!そんなのツラいの!!もうイヤだ…』

アタシの頬には涙が流れてきた。

『ごめん…オレどうしていいか答え出てなくて…このままでいいかなぁなんて思ってた』

『このままでいいと思うならアタシを突き放してよ!!アタシから離れるなんて出来ないんだょ…』

『……。とりあえず会って話そうよ?』

『イヤだ!!会わない!!』

『こんな大事なコト電話で話すことじゃないだろ』

『電話だから話せるの!!だから会わない』

『明日会おう』

『会ったら流されるから会わない!!絶対に…』

『今回だけはミリの言うとおりには出来ない!!明日迎えくるから』

『ヤダよぉ…フェーン』

アタシは声に出して泣いた。
一樹は、アタシが泣いても終わらせてくれなかった。そぅ…会わなきゃ終わらせてくれないんだ。
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