電界妖怪 〜マカフシギ〜 ①
「ああ。多分だんだん増えてくるって話もあるんだ。そこで、バンパイルっていう補強するためのソフトが必要なんだ。ひとつ4500万円。これでも一番安い方なんだ」
「うそ!4500万円?」
私は驚いた。
「でも、今景気が崩壊しそうだから、多分買えなくなると思う。でも、安くなればみんな買いだめして買えなくなる家族も出て来る。
そうなれば子供だって外で遊べなくなったりするんだ」
と、忠が言った。
「どうして?まさか、空気とか汚れたり?」
と、私は言った。
「いや、空気に危険物質が一緒になって人間が呼吸できなくなる可能性があるんだ。そうなったら、家にいない家族達などは、“霧の中の暗闇”っていう人たちもいる」
「霧の中の暗闇…」
「そう、霧のように先が見えないほど暗い生活が待っているって意味らしい…」
忠君の表情は暗い表情のままだった。
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