皆川修司という男
「可愛い…」


メールには、一人の女の子の写メが添付されていた。


長くてストレートな黒髪、
黒目が大きな瞳。
ピンク色の唇。


顔しか写されていなかったので、
顔しか分からないが、修司のど真ん中に入った。


「え…この子が、何?」


修司が慎二に携帯を返すと、慎二はニヤけた。


「お前に紹介したる女の子!」


「えええええ!」


確かに、修司のタイプだった。
だけど、修司は千代子の件で、女はもういいと思っていた。


「普通そうに見えるけど、
結構気強くて鋭いツッコミしてくんねん。

お前が被害妄想した時も冷静にツッコんでくれそやなって思って」


「ああ~…あるほど」


「じゃ、今から会いに行くか?」


「はやっ!?」


修司はそう思いつつも、
慎二に着いて行った。


由梨の通っている高校へ着き、
由梨と彼女が来た。



「始めまして。皆川修司です」


「はっ、始めまして、前川真知子です。」


どもった事が恥ずかしいのか、顔を手で覆う仕草も、
修司は可愛いと思った。


この子が、自分の最愛の人になるのは、
想像はしていなかったが、予感はあった。


修司はこれから、真知子とともに、


被害妄想とともに
生きていく。




【END】
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