駆け抜けた少女【完】

第六話*水面に見る想い





文久三年、八月初め。


矢央は寝苦しさに何度も寝返りをうつ。



眉間に皺をくっきり刻む表情から、悪夢に魘されているようで。

譫言のように「止めて…」と、発していた。





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