だから、君に

あのとき由紀は、交換することを何とも思っていないように見えた。
もしかしたら実際に、中学生にもなった彼女にとって、こどものおもちゃなんてそれほど重要じゃなかったのかもしれない。

なんにせよ、おもちゃより僕を優先してくれたことが、僕にとっては重要で、嬉しかったのだ。

一見ぶっきらぼうで、おそらく僕には理解できない苦悩を抱えた『姉』である由紀を少しずつ知るたび、僕は堪らなく幸せだった。

母以外の家族を知らなかった僕にとって、そして自分を『姉』として慕う由紀にとっても、互いの存在は想像以上に大きくなっていった。

僕はそれを、恋と勘違いしてしまったのかもしれない。



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