妖魔03(R)〜星霜〜
「それは、させない」

「何で?あの人が、チェリーのお母さんや村の人達を」

「それが事実だとしても、お前を、死なせるわけにはいかないんだ」

「でも」

「チェリー、命の意味がどれだけ重くても、命自体は軽いんだ。カメリアに託された以上、お前をあいつの元に行かせない」

「でも!」

「憎しみが沸くのは仕方がない。それに、復讐の目を向ける相手を間違っている」

子供で憎しみを捨てるなど不可能だ。

「どういう事?」

「結果を作ったのあいつであっても、原因を作ったのは、俺なんだ」

後ろから、足の音が響き渡ってくる。

「もう来たのか」

逃げる準備をしようとしたところで、隣の扉が開く。

俺は持っていた銃を構えようとしたところで、扉の向こうから出てきた人物に腕を捕まれる。

「お前は遅漏か?それじゃあ、お前は主人公に向きじゃないな」

「お前は」

そこにいたのは上半身裸の親父であった。

「全く、人様が居心地のいい一時を過ごしているのに、何を騒いでるんだ?」

「何で、ここにいるんだよ!?」

「何で教えなくちゃならない?」

「とにかく、中に入れてくれ!追っ手に追いつかれちまうんだよ!」

「おいおい、俺まで狙われるだろうに」

「お、お前、それでも俺の親か!」

「お前、本当に誰に似たんだよ」

「だあ!うるせえんだよ!とっとと入れろ!」

親父を押しのけて入った先には、裸の女が笑顔で銃を構えていた。

「残念」
< 217 / 355 >

この作品をシェア

pagetop