妖魔03(R)〜星霜〜
「え?五万円」

「すいませんねえ。私としては、アナタの美しい字のためなら払いたいんですが、今日もめざしが食卓に並ぶ事になってるんですよ」

「あんた、相変わらず貧乏よね」

「ですが、摩耶さんの手にかかれば、めざしが常に進化するんですよ」

「はあ、じゃあ、アタシの分も作っといてよ」

「おやおや、摩耶さんの料理に目をつけましたか。侮れませんね」

「そうね」

そのまま、背中を向けて歩き始めます。

「子鉄、気をつけて」

「行ってきます」

彼女は死地に繋がる飛行場へと旅立ってしまいました。

「ワラワは帰るかのう」

「ご迷惑をおかけしました」

「よい」

龍姫さんが去り際に指を鳴らすと、当たりには人が現れます。

我々を包んでいた結界が解かれたのでしょう。

「雲丸君、帰るですの」

「最後に一本ある白髪を拝ませていただきたいところですね」

「ワリャア、こだわりすぎなんじゃ!ボケ!」

殴る素振りだけ見せて、乾さん一家は家へと去っていきました。

「さて、丁度学校も目の前にありますし、授業を行いましょうか」

「げ!何で、この時間にいんの?」

「飛鳥さんじゃないですか」

私の背後には飛鳥さんが直立しています。

学校が始まってからしばらく経ちますが、今朝は腹痛でも起こしたんでしょうか?

「何よ、遅刻くらい別にいいでしょ」

「おや、消臭ポットの香りがしませんね」

「一体、何の話をしてんのよ」

「飛鳥さんはトイレに篭って、遅刻したんじゃないんですか?」
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