女王様御用達。
女王なら、レースさんの状況を知っている。
今回の命令ではそこまでは下っていないが、命の危機があるしやむおえない状況だ。
「リュウズに行きましょう。女王なら、貴方を迎えてくれるはずです」
彼女は口を押さえた。
「……でも……、国境には銃を持った兵士がいると聞いてます……」
「デスト王子の兵士は30。国境は常時いるのは5人確実に抜けるのはそちらの方がたやすいはずです」
「亡命がたやすいって。すごい自信家なおちびちゃんだな」
王子は苦笑する。
「それに、デスト王子は国を無視してレースさんを殺そうとしています。つまり、もし逃がしても安易に国へ通報は出来ないはずです」
つまり、国境を厳重にしにくい。
厳重にする理由はデスト王子にとっては蛇の道だから。
『最近、国王から勘当寸前に追い込まれたしね』
一度その身を勘当されかけていながらも、国王の象徴である勇者にこだわっていた。
『正義の名において、この勇者の血筋であるデスト様がみーんなまとめて処刑してくれ
る!!』
……そう簡単に自分の不始末の尻ぬぐいを国に訴えられないはずだ。
「デスト王子に襲われている今が、国境を厳重に強化されないですむ絶好のチャンスなんです」
「なるほどね、たしかに」
王子は感心しているようだった。
「あなたはもう、バケモノにならなくていいんですよ」
しかし、レースさんの目は迷っていた。
「……でも……」
はあ。
ポチは髪の毛をくしゃくしゃにして、ため息つく。
「どちらにしろ、この宿屋には住めないとおもうぞ」