イチゴの気持ち ~イチゴ達のラブストーリィ~
夏休みも終わりまた、新学期が始まった。
いつもの学校生活。先生、クラスメートの顔。
でも、少し私の中ではいつもと違う感情が芽生え始めていた。
あの海辺の清掃活動から全然春哉とは会えずにいた。
どうしているのか…あの日のこと…少し気になる自分にハッとした時があった…
でもそれは、きっと同じことを経験した同志、仲間としての意識なんだと自分自身に言い
聞かせていた。
春哉は少し背が伸びたように見えた。
「はいっ、プリント」
『あっ、ありがと』
思わず春哉の顔を見つめてしまう。
「なに?何かついてんのか?」
鼻や頬、おでこをパタパタはたく姿に笑いながら言った。
『ううん。なんか春哉変ったなぁって思っちゃったから』
「変った?」
『背が伸びたって言うか、なんて言えばいいのかなぁ…』
春哉は頷きながら、制服のYシャツをまくりあげ腕を上げた。
「やっぱ、わかるか。この夏休み鍛えたからな。これは筋トレ成果。で、背はシュート練
習の成果かな。ジャンプばっかで足は短くなっちまったけどな…もともとじゃん。なんてつっこむなよ」
二人で笑いあった。