【中編】彼女の嘘
「彼氏の前で言わないで。もう同棲してんだから。」

「そ、そうなの?今、この辺に住んでるわけ?」


祐也、ビックリしすぎ。


「うん。この近辺だよ。そういえば、祐也はなんでここに?」


「さっきまで、美紀と会ってたんだよ。美紀がここら辺だからさ。」


美紀とは、祐也の彼女だ。


「そ、そうなんだ。」


私は、ちょっとたじろいだ。


「あのさ。彼氏の前で聞くことじゃないんだろうけどさ。今度、連絡していいか?」


「えっ?あぁ〜、最近、携帯変えたんだよね?」


困った。


まさか、聞かれるなんて。


たしか、卒業式の時にクラス全員とは、連絡先を交換してたんだっけ。
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