昼休みに、あなたと。
それがきっかけで私は先輩と話すようになった。

先輩は時々ふらっと図書室に現れて、なぜか私に甘いものをくれる。

最初は面倒だと思っていた私だけど、いつの間にか先輩と過ごすこの時間が楽しみになっていた。


「手、だして。」

先輩はいつもそう言って私の手のひらにお菓子をのせてくる。

会うたびに貰うのは申し訳ないから、と何回も断ったけれど

「甘いものを食べると幸せな気持ちになるって言ったでしょ?だから、幸せのおすそわけ。断られるよりも、ありがとうって言われる方がうれしいんですけど?」

なんて言われて。

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