昼休みに、あなたと。
「もう大丈夫だから、離してください。彼女さんに悪いです…。」

そう言って、私は先輩の胸を押して離れようとした。

だけど、先輩は黙ったまま離してくれない。

「もう離してください。誰かに見られたら浮気してるって思われますよ?事実じゃなくても彼女さんは傷つくと思います…。」

自分で言った言葉なのに、その言葉でまた傷ついた。

今、抱きしめてくれている先輩の腕は、先輩の彼女さんのものなんだと実感したから。
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