純愛 ~守りたい~

そう言った後、あたしは走って階段下に向かった。



あたしにとって、久々の階段下だった。




桐也は、もう来ない…。この落ち込んだ気持ちを、誰も笑顔に変えてはくれないんだ。


あたしは、辛い気持ちをおさえながら、階段下に丸まって座った。



床の冷たさが、体全体に伝わってくる気がした。









『羽田。どうした(笑)』


慌てて振り返ると、この間知り合った後輩が、階段に立っていた。




『別に。』


あたしが言うと、後輩は隣に座り、顔を覗きこんできた。





< 47 / 492 >

この作品をシェア

pagetop