純愛 ~守りたい~
そう言った後、あたしは走って階段下に向かった。
あたしにとって、久々の階段下だった。
桐也は、もう来ない…。この落ち込んだ気持ちを、誰も笑顔に変えてはくれないんだ。
あたしは、辛い気持ちをおさえながら、階段下に丸まって座った。
床の冷たさが、体全体に伝わってくる気がした。
『羽田。どうした(笑)』
慌てて振り返ると、この間知り合った後輩が、階段に立っていた。
『別に。』
あたしが言うと、後輩は隣に座り、顔を覗きこんできた。