復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
結局、二泊三日の林間合宿の間、奈々子は誰にも話しかけることができなかった。
みんなとわたしは住む世界が違うんだ……と思うと、消極的になってしまったのだ。

最初の友達づくりでつまづいた奈々子は、移動教室も弁当を食べるのも一人だった。
周りは賑やかでとても楽しそうなのに、自分だけが黙々と弁当を食べる。
わたしは一人でも平気なの、という顔をしていたが、いつも心の中でうなだれていた。

明日から、またあんな日々が始まるんだ……と思うと、涙が溢れてきた。
両親に聞こえるといけないので、奈々子は声を殺して泣いた。

夏休みの間、ずっと家にいたので、友達がいないことに両親は薄々気づいているようだ。これ以上心配をかけてはいけない。

奈々子はしばらく泣いていたが、憧れのあの人の存在を思い出した。

……一人は辛いけど、あの人に会えるからがんばろう。

奈々子は涙をそっとふき、ベッドにもぐりこんだ。
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