ブレイク
「クソっ!!」

俺はシャツを地面に叩きつけた。

分かってるよ。

仕事が無い人が大勢いることくらい。

だから俺だって仕事が欲しいんだ。

それなのに、スラムの人間に与える仕事はないって、そんな言い方…。

何だか泣きたくなってきた。

俺達スラムの人間はそんなにも出来損ないなのか?

だいたい、今の世の中がいけないんだ。

物質不足うえ、物価は高く、それなのに仕事に就けない国民が大勢いる。

そうなれば、自ずと俺達みたいなスラムの人間は増えるに決まっているのに。

一体、いつからこんな国になってしまったんだろう…。

俺は空を見上げた。
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