THE DEATH
「ストークさんっ―――」

悲鳴にも近い、叫びは途中で途切れた。

カノーとカロンの姿は暗い空間の「穴」にかき消えた。

最後尾のボルグが続く。
「バカ弟子め――」

その呟きも闇に飲み込まれ‥‥静寂が残った。


「‥‥兄貴、すまねぇ‥‥っ」

ストークは笑っていた、大剣は構えたまま、黒い妄執に対峙する。

「――とどめだ、一緒に行こう」


そう言い放つ青年の瞳に憎しみなど微塵も感じられない。

< 33 / 36 >

この作品をシェア

pagetop