白いジャージ2 ~先生と青い空~


小さい頃からよく見ていた夢がある。


それは、先生と出逢った高校一年の春から一度も見なくなった。



怖いような不思議な夢。



その代わりに、大好きな新垣和人先生の夢を見るようになった。




感受性の強い子供だったからか、怖いテレビや映像を見ると夜眠れなかった。


他の子が怖いと感じないような、妖怪のテレビを見て私は怖くて、吐いてしまったことがある。




怖いことがあった日や、お姉ちゃんと喧嘩した時や、お母さんが泣いた日、


そんな夜は限って、同じ夢を見るんだ。




大きなローラーのようなものが回っていて、その横に小さな椅子が置いてある。



その椅子の上には、とても小さな音の鳴るオルゴールがある。




そのオルゴールが登場すると、夢の中で私は思うんだ。




『来た来た・・・いつもの夢だ』って。





夢の中にいるのになぜか、冷静に自分を見ていて、早く目覚めようともがいていた。




その夢を見続けていると、そのローラーに引きずりこまれてしまうような気がしたんだ。





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