白いジャージ2 ~先生と青い空~
「先生!!見て!綺麗な貝殻見つけたよ!おみやげに持って帰ってあげたら?」
直は、面白い形をした様々な貝殻を俺の手のひらに乗せた。
直の言う『おみやげを渡す相手』とは…
言わなくてもわかる。
直は優しい子だから…
やきもち焼きな直なのに、そこだけは絶対に我慢して尊重してくれる。
俺の『娘』…
娘へのおみやげってことだろ?
本当は忘れてしまいたいくらい辛い現実なんだと思う。
一生俺から切り離すことのできない娘の存在は
絶対に直を苦しめているはずなのに。
直は笑う。
『先生の娘さんだから私の娘でもあるんだよ』
苦労や心配ばかりかけてしまう俺を
直は一生愛してくれる?
俺は直のくれた貝殻をポケットへ入れ、直の頭を引き寄せた。