負け組女子高生
私は続けて話し続ける。
「まあ世の中には上手に生きてる不細工もいるよ?
でも大半の不細工はね、周りの対応の悪さに耐え切れずに自分にあった上手な生き方を身につけられないまま非現実の世界に走っていくんだよ。」
悠紀は頷いた。
「二次元の世界に走る不細工って多いしね。」
「そうでしょ。周りと目を合わせて向き合うのを恐れて極力傷つかないようにして、悪い意味での逃げ道を覚えちゃうんだよ。」
私は一気に喋って息切れしていた。
その様子をみながら悠紀は口を動かした。
「でもあんたはさ、自分の事不細工って思ってるみたいだけど、あんたは二次元の世界には走ってないじゃん。」
「私は1人の世界に逃げたんだよ。」
「あたしはそんなに麗華の事不細工とは思わないけどね。」
「世間的に見たら不細工でしょ。」
それでも私はひねくれてしまう。
「確かにめちゃくちゃ可愛いとは思わないけどさ。
私は世間が受け入れられない不細工だとは思わないよ。」
悠紀の褒めてるのかけなしてるのかよくわからない言葉は、
私にとっては嬉しかった。
「それはありがとう。」
「それにほら、世の中に生息してる大量の女子高生達だって、化粧落とさせたらみんなあんたと変わらないよ。」
悠紀はニヤっと笑った。
「んなわけないじゃん。みんなある程度のラインは越えてるよ。」
「証拠見せてやるよ。」
そう言って立ち上がると、悠紀は押し入れを開いてごそごそ何かを取り出した。
そして長方形の分厚い本を抱えて私の前に座った。
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