負け組女子高生
「すいませーん、トイレ行ってましたぁー。」
トイレから戻った私達は後ろからこっそり入る、つもりだった。
しかし毎度の事だがマリエはバーンと豪快に扉を開けると、全く反省してない様子でずんずんと教室に入っていった。
「また高橋か!…と山崎、か」
マリエの後ろに続いてこっそり歩いていた私に目をやり先生は目を見開いた。
マリエと付き合うまでは遅刻なんてありえなかったからだろう。
「おいおい高橋、山崎を洗脳しないでくれよ〜」
「あーもうごめんごめん!」
マリエは適当に返した。
軽いノリの先生でよかった。
冗談を飛ばす先生とは打って変わって、一部の女子はしらけた目をこちらに向けていた。
「マリエ、何調子乗っちゃってんの?」
「うちらがなんもしないからって。」
「反省しろっつぅの」
「山崎さんかわいそ〜」
渇いた笑い声がやけに響いて耳に届いた。
マリエは鈍感なのか無神経なのか、全く気にとめていないようだった。
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