俺様のカゴの中
おかげで俺は同僚の目に綺麗事を並べるガキと映っていた。



カラダを使ってまで客はとらない。



ナンバー2で満足していた。



それが気に入らなかったナンバー3を含めた集団にボッコボコにされた時も…入院したっけ。



あれ?



今の俺って…何歳だ?



「雷さん!?」

「るぅ…」

「喋らなくていい!!今看護師さん呼ぶからね!?」



留宇…?



あぁ、そうか…俺、どうにかなったのか…。



スーツ着てなくね?



「動かないで!!点滴してるから」

「なんで…?」

「いっぱい血…吐いて…倒れたから…」



涙目の留宇を抱きしめようと手を伸ばそうとしたのに、あまり力が入らない。



やってきた看護師にいろいろ説明を受けた。



どうやら俺は胃潰瘍だったらしい。



「会社行く時間だ…。帰りてぇんだけど」

「ムリですね、入院なんですから」

「は…?」

「仕事はできません。それにしばらくなにも口にできませんよ」



ウソだろ…?




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