俺様のカゴの中
虎宇との電話を切って、キッチンにある酒をグラスに注いだ。



なぜか虎宇との電話で仕事する気が削がれた…。



やっぱりただ者じゃねぇな、虎宇って。



テレビを見ても最近のドラマなんて内容がわからずつまらない。



夜型に慣れたカラダはなかなか眠くならないようだ。



「もしも~し」

「飲み行くぞ」

「今から?」

「って、もう飲んでっけどな」

「ははっ!!迎え行くからどっか抑えといて~」

「了解」



俺の数少ない友達。



会うのは3ヶ月ぶりか?



俺が忙しくて飲みに行くヒマすらなかった。



どうすっかな…。



できれば静かなとこで飲みたい。



着替えながらどこへ行こうか悩み、結局いつも行くバーに電話した。



しばらくして迎えがやってきて、家を出て外へ。



「雷はいつも急すぎ~」

「お前明日休みだろ?」

「失礼だね。俺だって毎日仕事してるんだから」



21の時、行きつけのバーで泥酔してたのがコイツ。



記憶もないまま俺に絡んで来やがった。



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