真面目なあたしは悪MANに恋をする
「気をつけるよ。僕はたぶん感情の制御が下手なんだ。一度、感情のロックが外れると、暴走する。相手が倒れて、動けなくなるまで僕の気持ちがおさまらない。納得できないんだ。これからは努力する。だから葉南さん、僕が暴走しそうになったら止めてね」

「もちろん」

「良かった」

片岡君がほほ笑んだ

「あと一つ、質問してもいい?」

「何?」

「片岡君は、学校の話をされるのって嫌い?」

片岡君の表情が硬くなった

視線をあたしからそらして、駐輪場に止まっている誰かの自転車をじっと見つめた

「嫌いっていうか…話す内容がないんですよね」

片岡君がさびしそうな目をして、首を振った

「僕の家に来ませんか? 葉南さんには僕を知ってもらいたい」

あたしは片岡君の悲しくて寂しい瞳に吸い込まれるようにして、頷いた

「行きましょう。この近くですから」

「近く?」

「ええ。歩いて3分くらいですかね」

あたしは片岡君の手に引かれて、片岡君の家に向かった

どんなところで生活をしてるのだろう

ご両親はどんな人なのだろう
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