真面目なあたしは悪MANに恋をする

「片岡君は知ってたんだ」

「ああ。葉南さんと僕の二人がバイトのない日に決行しようって話だったから」

片岡君がぎこちない笑みを見せてくれた

「マサはきっと茉莉に本当にことを伝えに行ったんだと思うよ」

「うん」

あたしは頷いた

「もう…茉莉とのことは終わりにしよう。あたし、こんなの嫌だよ。片岡君の怖い顔を見たくないよ」

あたしは片岡君の目を見た

片岡君は、「ごめん」と小さく謝った

そっとあたしの手を握り締めてくれる

指と指の間から、片岡君の優しい気持ちが流れ出てきた気がした

「片岡君のバイク姿はすごく格好良いって思ってる。ツナギ姿も。だけど誰かを傷つける行為に走る片岡君は怖い。そこまでしなくていいのに…って思っちゃう」

片岡君は困ったような、ぎこちない笑みを浮かべている