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「麻帆」




その声は
あたしの大スキな低い声。




そっと上を見上げると…
比呂くんがいた。





「そんな急いでどうした?」
「や…なんでもないよ」




あたしを支えてくれた比呂くん。




「川上になんかされた?」
「…ううん」





これでもかってくらい頭を横に振った。
首が外れそうになるくらい…。




「俺以外の男にはついて行くなよ」
「…うん」






そういうと比呂くんは
あたしの手を握って歩き始めた。




比呂くんの温もりが
この手を通じて伝わってくる。




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