放課後の歌



君は席に着いた。


私は向かいの席に着く。


「前原は何でこの作家が好きなんだ?」


「私歌がすきだから・・・」


そう答えた。


「俺も歌が好きだ。俺の好きなヤツが、歌う歌、すっげー好きなんだ。」


一気に胸が痛んだ。
好きなヤツ、って、

すきなひとが居たんだ。


「そいつな・・・ーー」


泣いては、駄目だ・・・


「っま、前原!?」


「すみませんっ、失礼しますっ!!!!!」


私はそのまま図書室を飛び出して、屋上に向かった。


今はただ。



歌いたい・・・



屋上に着くと、眼鏡をはずすのも、髪をほどくのも忘れて、


歌ってた。



.
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop