一番星
「長谷川っ」

「はぃぃ!!」

「ぶっなんだよそれ~
 ちょっと話さない?」

「あっうん。」

このときの会話で昨日の泣いてる理由を聞かれるわけでもなく告白の返事を聞かれるわけでもなかった。


「今日も帰り一緒しない?」

「うん!
 姫を迎えに来てね?」

「はいはい。
 かしこまりました姫。」

ふふっ

今日の放課後楽しみだな~


その後の時間は麗からの冷やかしや事情聴取で過ぎていった。


「長谷川っっ」

「秋吉くん!
 じゃぁ帰るねっ」

走って教室を出る。

他の人は付き合ってるって勘違いしてたよね?

でも悪い気はしなかった。


「ねぇ。
 返事聞いていい?」

秋吉くんが急に真面目な顔をして言う。

私は本当の気持ちを言った。


「あのね。
 好きな人いたの。
 忘れられなくてね。
 付き合っても傷つけるだけだと思う。」

私の気持ち伝わる?


「それでもいいよ。
 忘れるために俺と付き合ってもいい。」

そう言ってくれた秋吉くんの顔絶対忘れないから。


私の返事は『お願いします。』だった。

お願い秋吉くん。

聖ちゃんを忘れさせて・・・?
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