一番星
聖ちゃんの話は11年前にさかのぼった。
井垣聖弥 6才
俺はまだ幼稚園に通っていた。
いつものように泉と帰る。
何も変わらない日常だった。
でも家の中に入ると同時に俺の普通の生活が失われたんだ。
「お母さん?」
いつも綺麗な家が今日は大掃除中・・・
いやまるで泥棒が入ったような散らかり様。
そしていつもは俺が帰ると玄関まで出迎えに来る母の姿はなかった。
「お母さん?」
そう呼びかけながら家のあちこちを探し回った。
でも母が見つかることはなかった。
まだ小さかった俺はただ1人にされたことが寂しくて恐くて。
今にも泣き出しそうなとき玄関の扉が開閉する音が聞こえた。
俺は母が帰ってきたと思って玄関に向かった。
「お母さん!?」
「聖弥?」
返事が返ってきた。
でもそれは母の声ではなく久しぶりに会う叔母の声だった。
あのときの感情は今でも鮮明に覚えている。
母じゃなくてがっかりした気持ちと安心感が混ざりなんとも言えない気持ち。
そんな俺を見た叔母は
『大丈夫?もう1人じゃないよ。』
って言ってくれた。
その言葉がどれだけ嬉しかったか。
井垣聖弥 6才
俺はまだ幼稚園に通っていた。
いつものように泉と帰る。
何も変わらない日常だった。
でも家の中に入ると同時に俺の普通の生活が失われたんだ。
「お母さん?」
いつも綺麗な家が今日は大掃除中・・・
いやまるで泥棒が入ったような散らかり様。
そしていつもは俺が帰ると玄関まで出迎えに来る母の姿はなかった。
「お母さん?」
そう呼びかけながら家のあちこちを探し回った。
でも母が見つかることはなかった。
まだ小さかった俺はただ1人にされたことが寂しくて恐くて。
今にも泣き出しそうなとき玄関の扉が開閉する音が聞こえた。
俺は母が帰ってきたと思って玄関に向かった。
「お母さん!?」
「聖弥?」
返事が返ってきた。
でもそれは母の声ではなく久しぶりに会う叔母の声だった。
あのときの感情は今でも鮮明に覚えている。
母じゃなくてがっかりした気持ちと安心感が混ざりなんとも言えない気持ち。
そんな俺を見た叔母は
『大丈夫?もう1人じゃないよ。』
って言ってくれた。
その言葉がどれだけ嬉しかったか。