幸せのカタチ~赤い宝物~


すっかり暗くなった空に包まれてポタポタと私の頬を伝って落ちた涙が、乾いたアスファルトを濡らしていく。

私の下だけ、大粒の雨が降ったみたいに濃いグレーに変っていく。


これじゃ、私はまるで真っ黒な雨雲みたいだ。


淋しい様な悲しい様な悔しい様な


そんな気持ちが大きく膨らんで、涙になって落ちてる。



暗く重くなった心に押し潰されそうで


暫く涙が止まらなかった。




近くを人が通り掛かり視線を感じた。


恥ずかしくて立上がり、さっき彰と彰の家に向った道を1人で戻る。


あんな所で座り込んで泣く何て、超恥ずかしぃし

知ってる人に見られなくて、夜で良かった…


すっかり泣き顔なのと、自分が恥ずかしくてずっと下を向いて歩いて行く。


なんだか泣いたら心が空っぽになったみたい…。


私ってこんなに弱かったっけ…。



考えるとまた泣けてきそうで、無心でトボトボと歩いて行く。




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