【連作】六天ニ散リユク花―交わりの章―
一体、どの程度の時間眠っていたのか。

一刻――あるいは、二・三刻ほども経っているかもしれなかった。

起き上がると、上に掛けられていた衣が肩から落ちる。

なるほど、これのおかげで夢を見るほど本格的に眠ってしまったらしい。

その衣には、見覚えがあった。
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