恋口の切りかた
刀丸には気負いのようなものは見えない。

何かを気負っているとしたら──俺か。


俺にはなくて刀丸にあるもの。

人を斬った経験。


それが──



刀丸を大きく見せている?



いや。



──自分を小さく感じさせているのだ。

そう悟った瞬間、俺は思いを振り払うように刀丸に打ちかかった。
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