恋口の切りかた
俺たちがお縄にした者は二名。

他に、捕まえる過程で昏倒させたり致命傷にならない程度に斬りつけた者が三名で、

縄で縛った二人に関してはとりあえず隼人に任せることにして、ススキ野に倒れ伏している者と死体とを見張るため、俺と留玖はこの場に残った。

こいつらに関しては後で人を呼んでなんとかしねえとな。


「逃げようとしたら直ちに首をはねろ」

俺は縛った二人の浪人にわざと聞こえるように隼人に告げて、

「は。こんな大勢で女を襲おうとするなんて、同情の余地はねーな」

隼人が冷たい視線を浪人に送って、「さあてお前ら、キリキリ歩こうか」などと言いながら連中の縄を引いてこの場を後にした。

それから、


亜鳥と遊水を眺めて、俺は留玖と一緒にやや離れた場所まで移動した。


二人きりで話したいこともあるだろうと、俺なりに気を利かせた粋な計らいってやつだ。

同時に、俺と留玖も二人きりになるわけなんだが。


二人になるとすぐ、留玖が俺を見上げて──

「ねえ、手紙で呼び出された亜鳥さんはわかるけどさ」

不思議そうに尋ねてきた。

「どうして遊水さんは、こんな時間にこんな場所を『偶然』通りかかったのかなあ?」

近くには金魚の桶が二つ置かれてあり、完全に仕事帰りだということが窺えるが──

こんなススキ野で暮らしているのでなければ、夕暮れ時に町を離れてこの場所を通りかかるなど、不自然極まりない行動だった。

留玖の疑問はもっともだ。


甘い空気は皆無になりそうな会話の流れに俺は落胆しつつも、この場合は仕方ないと諦めることにした。

「さあな。何か操り屋の仕事にでも関係してるんじゃねーか」

俺はとぼけた。

「ふうん」と言って、留玖が不審そうな表情のまま黙った。
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