恋口の切りかた
風佳は、真っ青な顔でがたがたと震えていた。


真紅の紙でできた薬の包みのようなものは、

道端に落ちたままのものが一つ、
青文の手の中にあるものが一つ。


まるで、それは──



「なんだよそりゃ」



俺は乾いた声で笑った。



「赤い薬包みなんて……毒薬じゃあるまいし──」
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