恋口の切りかた
【円】
乱れた荒い息を吐いて、
「おや、残念」
俺の上で、女が言った。
「ん?」
「邪魔が入ったようだわね──」
その意味を俺の頭が理解するよりも早く、
女が素早い動きで俺の上から退き、布団の横に転がったままだった抜き身の刀を手にして転がるように身を起こし──
同時に、パァン! という大きな音を立てて外から座敷の襖が開かれた。
「な──」
唖然としながら見つめる俺の鼻先をかすめて、ぎらつく刃が女に向かって繰り出され、
澄んだ音と共にそれを女が俺の刀で弾き上げた。
勢いもそのままに、飛ばされた獲物が天井に刺さる。
突然その場に乱入してきて女を斬りつけた「見知った人物」に、俺は布団に寝転がったままあんぐりと口を開けた。
「お前──なんでここに──」