恋口の切りかた
木刀では私が勝って、
真剣では私は負けた。


「留玖、君は『己が何ができないか』わかるかね?」


貫かれたと思った真剣の切っ先を私の喉元でぴたりと止めて、虹庵は私にそうたずねた。


答えられない私に、

「君が振るう剣は、殺人のための剣だ」

師範代は刀を引きながら静かに言った。


「それは木刀でも、刃引き刀でも、真剣でも変わらない。
どんな武器を手にしていても、君が使うのは

『どうすればこの武器で人を殺すことができるか』

の剣なんだ。
だから今、君は真剣で私に勝てなかった」


清十郎との勝負の後に言われたのと同じ言葉だったけれど、今度は──褒められているのとは少し違う雰囲気で──


「君が本気で己の力を最大限まで引き出して剣を振るっている時、君は相手を殺そうとしているのだよ」


と、虹庵は私に告げた。


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