恋口の切りかた



「留玖様」

優しい声に、意識を現在に引き戻される。



円士郎の瞳が私を真っ直ぐ捉えて、微笑んだ。




「私は、あなたの中に、

あなたの好きな花と一緒に──優しい記憶として残りたい。


そしてどうか、

こんな冷たい秋の雨の日ではなく、

桜の季節に、私のことを思い出してほしい」



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