恋口の切りかた
殿は、後ろに控えている藤岡と菊田を振り返って、
「藤岡、菊田殿、あそこまで固い決意を宿して別宅を飛び出して行った者をどうやって説得するか、もはや手遅れかと心配しておったが──
どうやら、青文の言うとおり、留玖が引き留めてくれたようじゃな」
と、言った。
「左様で」
藤岡たちが頷いた。
「円士郎、しかしそちが腹を切らぬとなれば──結城家には他に処分を言い渡さねばなるまい」
殿はそう言って、私を見た。
「円士郎の代わりに、此度の結城家の失態の責任は、留玖にとってもらおう」
えっ……。
突然名指しされて、私はびっくりして、
「な──冗談じゃねえ!」
円士郎が私を引き寄せて、激昂した様子で怒鳴った。
「どうしてこの俺の失態の責を留玖が──」
「藤岡、菊田殿、あそこまで固い決意を宿して別宅を飛び出して行った者をどうやって説得するか、もはや手遅れかと心配しておったが──
どうやら、青文の言うとおり、留玖が引き留めてくれたようじゃな」
と、言った。
「左様で」
藤岡たちが頷いた。
「円士郎、しかしそちが腹を切らぬとなれば──結城家には他に処分を言い渡さねばなるまい」
殿はそう言って、私を見た。
「円士郎の代わりに、此度の結城家の失態の責任は、留玖にとってもらおう」
えっ……。
突然名指しされて、私はびっくりして、
「な──冗談じゃねえ!」
円士郎が私を引き寄せて、激昂した様子で怒鳴った。
「どうしてこの俺の失態の責を留玖が──」